マルチブラケット装置の矯正歯科
マルチブラケット装置とは
歯列の矯正方法として一般的なものがマルチブラケットによる治療です。ワイヤー矯正とも呼ばれるこの方法は、さまざまな症例に対応できます。歯の位置や傾斜だけでなく、歯根(歯の根っこ)まで動かすことができます。
最大の特徴は、歯を正しい位置に動かすために3次元的な移動ができる点です。
マルチブラケット装置は固定式の矯正装置になります。患者様自身で取り外しのできるマウスピース型矯正装置と違って、歯に接着剤でブラケットを装着するので、治療期間中はずっと装着されたままになります。
ブラケットとは金属の小さなボタンのような形状で、歯の表面の中央部あたりに直接つけるものです。このブラケット同士にワイヤーを通して歯を引っ張り、理想とする正しい位置へ歯を移動させます。歯に力がかけやすいので、装着したばかりの時には痛みを感じるかもしれません。
個人差もありますが装着してから3日ほどは痛みが出てきますが、1週間ほどで痛みを感じなくなるでしょう。
歯と同色のクリアータイプのブラケットや、審美性の高い、透明な素材のクリアブラケットやホワイトワイヤーもご用意があります、また歯の裏側に矯正装置を取り付ける治療方法もあります。見た目も自然で金属が目立つことはありません。
種類と料金について
マルチブラケットのメリット
- あらゆる症例に対応することができる
- 歯科医院が主体となって治療を行う
- 費用が抑えられる
抜歯・非抜歯関係なく、どれだけデコボコが強くてもかみ合わせのズレがあっても対応できる場合がほとんどです。歴史が長くある程度の治療法が確立しているため、治療期間の短縮が見込めたり、安心して治療を受けることができます。
マルチブラケット装置は歯に接着されているため治療に当たるワイヤー交換は歯科医師や歯科衛生士が行います。そのため、きちんと通院さえしていれば、治療は比較的順調に進み普段は歯磨きをがんばるだけで良いです。 マウスピース矯正の場合は、治療に当たるマウスピースの交換を患者自身で行う必要があり、使用時間や取扱いによって治療の進み具合が大きく左右されます。
オーダーメイドが必要なマウスピース矯正や裏側矯正と違って、既製品の装置の装着となるため矯正装置のなかで最も費用を抑えることができます。
マルチブラケットのデメリット
- 痛みを感じやすい
- むし歯になりやすい
個人差はありますが、器具を装着した日から、2~3日から1週間程度は痛みを感じやすいとされています。また、器具を装着したときだけでなく、ワイヤーを交換するたびに痛みを伴います。なお、この痛みは徐々に引いていきます。
ブラケットやアーチワイヤーが歯に装着されることによって、歯が磨きにくい影となる部分が増えます。そのため食べカスが溜まりやすくなったり歯ブラシが当たりにくくなっていまいます。歯科医院でのクリーニングとは別に、毎日の適切なブラッシングが非常に重要といえます。